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花のかみかざり

  • 2019年12月16日
  • 2020年1月12日
  • 絵本

今日ご紹介するのは、「花のかみかざり」。いもとようこさんの絵本です。 長女が、図書館で借りてきた本で、私の胸に、ズシッときた絵本です。 いもとさんの本は、抱きしめる、ぎゅっとする、をテーマにしている本も多く、また絵もほんわかとして、やわらかく、大好きな絵本作家さんです。 (以下、絵本の内容にふれます。) この絵本は、うさぎの看護師さんと、そこに入院しているたぬきのおばあちゃんのお話。 いつも通り、その日も、うさぎさんは、たぬきのおばあちゃんの車いすをおして、日課のおさんぽに出かけます。 楽しくお散歩している途中で、おばあちゃんは、うさぎの看護師さんに伝えます。 「あなたみたいにやさしいひとにおせわしてもらって、私はほんとうにしあわせものだ、あなたにおせわしてもらうひとは、みんなしあわせもの・・・・・・」 ところが、そんなうれしい言葉をもらったのに、うさぎの看護師さんは、その場でうずくまってないてしまうのです。 「わたしは、やさしいひとなんかじゃないんです、ひどいひとなんです・・・・」と。 そして、うさぎの看護師さんは、昔のつらいお話を、たぬきのおばあちゃんに話します。 それは、うさぎさんが看護師になったばかりのころのお話。 そのころ、うさぎさんは、小さな子供たちのおせわをする係だった。 そこに、ひとり、こわい顔の、オオカミのおばあちゃんが入院していた。 うさぎの看護師さんは、そのオオカミのおばあちゃんが、毎日じっとにらみつけてくるので、「いやなおばあちゃんだな」って思っていた。 あるばん、オオカミのおばあちゃんのよびだしベルがなり、うさぎの看護師さんがかけつけると、おばあちゃんは、ふるえるてを、うさぎさんの方に必死でのばして、かすれた声で、必死に言った・・・・・ 「・・・・だきしめておくれ・・・・・・・」 オオカミのおばあちゃんのかすれた声、ひっしな顔に、うさぎの看護師さんはこわくなって、あとずさりしてしまい、そのままその場から逃げ出してしまった。 つぎの朝、オオカミのおばあちゃんは、天国へ旅立ってしまった。 うさぎの看護師さんは、泣きながら言います。 「オオカミのおばあちゃんの最後に抱きしめてあげることができなかった、いつもこわい顔をしてみていたのは、こどものように抱きしめてほしかったんだ、なぜその気持ちがわからなかったんだろう・・・・・・」 つらいお話を、話し終えると、うさぎさんは、 「ごめんなさい!ごめんなさーい!オオカミのおばあちゃん、ゆるしてー、ゆるしてー!」 と、泣きながらたぬきのおばあちゃんをだきしめます。つよく。つよく。 すると、たぬきのおばあちゃんがいいます。 オオカミのおばあちゃんもゆるしてくれるわ。さあ、いつものすてきな笑顔を見せてちょうだい。」 そして、たぬきのおばあちゃんは、自分の髪飾りをそっとはずし、うさぎの髪につけてあげました。 作品のなかに、こんな言葉がでできます。 ~だっこはこどもだけのもの? いいえ、おとなになっても・・・・、いくつになっても・・・・・、どんなにとしをとっても・・・・・ みんなみんな、だきしめられたい~ この絵本をよんだとき、私は、大好きな叔父との別れを思い出しました。 それは、それは、長い間、がんと闘い、闘いぬいて、弱音をはかず、涙も見せず、そしてユーモアは忘れず、天国にたびだった叔父。 私は、小さいころから、あふれるほどの愛を叔父からもらってきました。 闘病中の叔父を、何回も見舞った私。 でも私も・・・・・一回も、抱きしめることができなかった・・・・ 大人だから?はずかしいから? とうとう、会話ができなくなってからも、抱きしめることをしようとはしなかった。 この絵本と出会って、叔父のことを思い、もしあの時にもどれるならば、叔父をぎゅっと抱きしめたいと思いました。 そして、明日、明後日、その先も、愛する人たちとの、たくさんのハグを・・・・・・後悔しないように。

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